第35回神奈川県共闘定期大会 大会宣言

大会宣言を提案する宮澤幹事 大会
大会宣言を提案する宮澤幹事
大会宣言文

今年7月の参議院議員選挙での敗北を機に自民党は石破首相に退陣を迫り、10月に高市早苗内閣を発足させた。故安倍首相の「後継」を自認し、保守強硬派で知られる高市首相は、自民党総裁就任直後に長年の連立パートナーだった公明党の連立離脱という事態に見舞われ、自らの首班指名を得るために維新の会や(党首が名誉棄損容疑で逮捕された)NHK党の議員まで自民党会派に取り込まなければならないなど波乱含みのスタートとなった。かつてのアベノミクスをほうふつとさせる「積極財政」への期待もあり、各種世論調査では高い内閣支持率を得ているものの、その政策は軍事費の大幅アップ、残業規制の緩和、「違法外国人の取り締まり」など軍備拡張と規制緩和、排外主義的な性格を強く持つ。高市首相は非核三原則見直しをほのめかし、さらに国会答弁において「台湾有事」の際の介入に踏み込んだ答弁をした結果、対中関係をいたずらに緊張を高めるという挙にさえ出ている。いずれも首相やその支持層の右翼的志向を強く意識した動きであることは言うまでもない。労働法制と平和憲法の破壊をもくろむ高市内閣は、総額25兆円にも及ぶ財政出動を自らの「経済政策」の柱としてぶち上げたが、その大半は軍需産業あるいはAIなどの巨大情報産業(資本)への投資や「お米券」配布のための自治体への補助金原資など私たち労働者の生活向上とは無縁のものばかりだ。

沖縄・南西諸島の自衛隊基地強化が急ピッチで進んでいる。近年中国は急速に軍事力を増強、海洋進出を強め周辺諸国や地域との軋轢は高まる一方であるが、特に長年東アジア、太平洋地域で大きな軍事的、政治的影響力を及ぼしてきたアメリカと中国との緊張関係は予断を許さないものである。こうした米中対立に呼応する形で日本もまた安保法制や武器輸出解禁、また自衛隊の南西諸島配備(要塞化)などの日米軍事一体化と戦争ができる国づくりを進めている。沖縄・辺野古新基地建設、ノースドックへの米軍部隊増強もまたこうした米中対立に積極的に関与しようとする自民党政府の一貫した姿勢を示している。戦争をさせないために憲法9条を守る闘いは今まさに正念場だ。改憲阻止、沖縄新基地建設反対の闘いに連帯していこう。

外国人労働者、外国につながる市民へのヘイトスピーチは益々、深刻化している。特にコロナ禍以降、インターネット上にあふれかえる虚偽に満ち溢れた一否、虚偽そのものである「情報」(フェイクニュース)は社会秩序の根幹を脅かし、さながらコロナ禍をしのぐ「偽情報パンデミック」とでもいうべき様相を呈している。いうまでもなく特定の国籍やルーツの集団と犯罪との因果関係などは存在しない。少子化や人手不足が進行する日本社会において外国人労働者・市民は私たちの社会にとってかけがえのない構成員だ。インターネットや一部のメディア、そしてそれにおもねる悪意ある政党の扇動に惑わされることなく「同一労働同一賃金」「労働者に国境無し」の原則を再度確認しよう。

原発再稼働をめぐる動きは新潟、柏崎刈羽原発、北海道・柏原発の再稼働が地元自治体により「容認」されようとしている。福島第一原発事故の終息さえ見通せない中、原発輸出企業や電力会社その他巨大資本のあくなき利益追求を目的とした原発再稼働を許してはいけない。

戦争準備と排外主義を志向する高市・自民党政府は労働時間規制緩和による労働者の生活破壊も計画している。こうした中で地域に根差した中小労働者の争議解決、職場からの組合組織化の闘いは重要だ。特に今年、15年目を迎えるJAL争議支援は争議全面勝利解決に向けて重要な局面を迎えている。神奈川の労働運動の一翼を担い、JAL争議の早期全面解決を担う体制を整えていこう。

すべての争議に勝利し、戦争反対、日米安保粉砕、労働法制改悪阻止、すべての労働者にまともに生活できる賃金と労働時間を勝ち取る闘いを共に作り出そう。以上、宣言する。

2025年12月6日

神奈川県労働組合共闘会議第35回定期大会参加者一同

コメント

タイトルとURLをコピーしました